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AR
2023/11/21

8th Wallとは?
アプリなしで高精度のARコンテンツを体験できる開発ツールを紹介

こんにちは!VONS picturesです。

第13回目のメルマガでは、WebAR開発プラットフォーム「8th Wall」についてお伝えします。

WebARとは、ChromeやSafariといったスマホのウェブブラウザで表示されるARコンテンツです。アプリなしでAR体験ができるので、多くの企業ブランドから注目を集めています。

制作コストが抑えられユーザーにとっても手軽に楽しめるWebARですが、やはりARアプリに比べるとトラッキング精度が劣るなど、いくつか課題がありました。

その課題を解決するのが、今回ご紹介する8th Wallです。8th Wallは、WebAR開発プラットフォームの中でも、高精度のARコンテンツを制作できるツールです。

今回のメルマガでは、8th Wallの特徴や、あっと驚く高精度のAR体験を提供できる新機能までお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。

8th Wallとは

出典:8thwall

8thWallは、アプリを必要としないWebARコンテンツの構築を支援するプラットフォームです。世界最大のARプラットフォームを持つ8th Wallは、小売、食品、旅行、自動車、ファッション、スポーツ、エンターテイメントなど、さまざまな業界でARコンテンツ制作を支援しています。

たとえば、ナイキ、ポルシェ、ソニー・ピクチャーズ、ハイネケン、マクドナルド、トヨタ、レッドブル、アディダスといったトップブランドが8th Wallを使って、ARコンテンツを作成しています。

2022年4月には、8th Wallで制作されたWebARコンテンツが、ウェビー賞やクリオ賞といった、広告・インターネット業界における国際的な賞を受賞しました。また、2022年3月に8th Wallは、ポケモンGOの開発で知られるNianticの傘下に入ったことからも、注目を集めています。

今や、WebARの制作に8th Wallは欠かせないと言っても過言ではないでしょう。

■8th WallとAR.jsの比較

従来、WebARの開発にはAR.jsが広く使われてきました。AR.jsとは、WebARを構築するための基本ライブラリです。

マーカー認識や対応OSなど同様の機能が搭載されていますが、8th Wallの方が利用できる機能数が多く、より高精度なコンテンツ体験を提供できます。

機能AR.js8th Wall
画像(マーカー)認識○(黒枠マーカー)○(オリジナル画像可)
曲面認識
平面認識×
顔認識×
WebAR ポータル
ロケーションベース
トラッキング精度
対応OSiOS / AndroidiOS / Android
複数マーカー上限数1マーカー10(平面認識と組み合わせる場合は5)

特に、マーカーの上限数に関しては8th Wallの方が多く設定できる他、曲面や平面、顔認識機能、トラッキング制度も8th Wallの方が秀でています。

VONS picturesでは、8th Wallだけでなく、予算や内容に応じてAR.jsでの構築を選択する場合もあります。WebARコンテンツ制作をご希望の際は、使用するライブラリも含めて提案いたしますので、お気軽にお問合せください。

8th Wallの主な特徴

では、8th Wallの3つの特徴を深掘りしてみましょう。

■平面画像だけにとらわれない画像認識

8th Wallは平面画像だけでなく、円筒型や円錐型の曲面を認識します。この機能によって、コーヒーカップやペットボトル、缶など丸みのあるオブジェクトに巻き付けられた画像を認識できるようになりました。

さらに、オリジナルの画像をマーカーに設定でき、アプリで使うARに近い精度でトラッキングできるのが特徴です。曲面に3Dコンテンツが現れるため、よりリアルで没入感のある体験を提供できます。

■空間全体でAR体験を演出できる

8th Wallには、即座に平面を認識してオブジェクトを表示できる機能があります。

従来のマーカー認識型のARでは、スマホカメラでマーカーとなる画像を読み込み続ける必要がありました。もし途中でマーカーからカメラを離すと、ARコンテンツが途切れてしまうからです。

しかし、8th WallではARコンテンツを一度読み込めばマーカー画像からスマホカメラを離しても、AR体験を続けられるようになりました。この機能により、空間全体でAR体験を演出できるようになったのです。

たとえば、道路を泳ぐ熱帯魚のARコンテンツを見てみましょう。熱帯魚が壁から現れ空間を自由に浮遊し始めましたが、スマホカメラは起点となるマーカーを読み込み続ける必要はありません。熱帯魚の動きに合わせ、ユーザーも自由にその空間を楽しめます。

このように、ARコンテンツが発動する場所にとらわれず、ARコンテンツがその周りへ飛び出していく世界観の演出が可能となるのです。

■高精度な顔認識

8th Wallを使うと、ARアプリに近い精度でフェイスエフェクトを楽しめるのも魅力のひとつです。表情の変化をリアルタイムでトラッキングするので、ユーザーはフェイスエフェクトで自由な表現を楽しめます。

【必見】8th Wallで提供できる高精度なWebAR体験

次に、8th Wallだからこそ提供できる高精度なWebAR体験の例をお伝えします。

■強化されたWebARポータル

「WebARポータル」とは、ユーザーがバーチャルな世界で窓のような穴をくぐると、別世界にテレポートしたかのような体験ができるARコンテンツです。

上の画像では、部屋に表示されたWebARポータルに入り込むと、宇宙空間へ飛び出します。ユーザーは月の上を動き回りながら探索できるので、新しいユーザー体験を提供できるでしょう。

8th Wallは平面のトラッキングやパフォーマンスを最適化し、WebARポータルの体験をよりリアルに感じられるようアップデートされました。同機能は、ライブイベントや実店舗のデジタルツインといった、ユーザーにアクティブな移動を促すコンテンツを提供したいとき非常に有効です。

■実在の都市にAR体験を組み合わせたロケーションベースAR

上記でお伝えしたように、8th Wallは2022年3月にポケモンGOの開発などで知られるNianticの傘下に入りました。そしてNianticが開発を進めているLightship VPSと8th Wallが連携し、VPSをウェブブラウザ上で利用できるようになりました。

Lightship VPSとは、カメラからの画像を、実在する都市データと照らし合わせ、ユーザーの位置や視線を高精度でトラッキングするシステムです。

このシステムを使うと、今までのARでは実現が難しかった「特定のモニュメントの脇にわずか数センチの誤差範囲でキャラクターを立たせる」というような、現実世界に存在する場所や物体と正確にリンクしたAR体験が可能になります。

東京、大阪、名古屋、京都を含む世界中の30,000のロケーションで利用可能で、現在も拡大中です。

まとめ

ARコンテンツの制作に8th Wallを使用すれば、アプリと遜色ない高精度のコンテンツをウェブブラウザで手軽に体験できるようになります。

また、Lightship VPSとの連携のようにアップデートも高頻度で行われています。近い将来、よりリアルに現実世界を拡張するリアルワールドメタバース、つまり現実世界のメタバースを、アプリなしで体験できるようになるかもしれません。

VONS picturesでは8th Wallと代理店契約を交わしており、プランの選定や各種設定の代行はもちろん、基本的なARコンテンツの実装から、これまでの知見を活かしたユニークなカスタマイズまで幅広く請け負っています。

「8th WallでWebARを制作して自社ブランドをPRしたい」
そんなご要望にお答えしますので、ぜひお気軽にお問い合わせくださいね!

もっと詳しく知りたい方へ

株式会社ヴォンズ・ピクチャーズ 
デジタルコンテンツ研究所

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